知財高裁による審決取消訴訟の判決をピックアップして掲載しています 

平成17年(行ケ)第10103号(東京高裁平成16年(行ケ)第422号)


主文

特許庁が不服2000-13143号事件について平成16年6月2日にした審決を取り消す。

訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第1 請求

主文と同旨

第2 当事者間に争いのない事実

1 特許庁における手続の経緯

原告は,平成11年3月24日,別添審決謄本別掲(1)のとおりの構成(飾り文字風の欧文字で「BALMAIN」と横書きに書したもの)よりなり,指定商品を,別表第6類,第9類,第14類,第16類,第18類,第20類,第21類,第23類,第24類,第25類,第26類,第27類,第28類,第30類,第33類及び第34類に属する願書記載のとおりの商品とする商標(以下「本願商標」という。)について,商標登録出願(商願平11-25229号)をし,その後,平成12年2月29日及び同年7月17日付け手続補正書により,指定商品を,第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」に変更したものである。

原告は,平成12年4月14日,上記商標登録出願につき拒絶の査定を受けたことから,同年7月17日,これに対する不服の審判の請求をした。特許庁は,同請求を不服2000-13143号事件として審理した上,平成16年6月2日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は,同月21日,原告に送達された。

2 審決の理由

審決は,別添審決謄本写し記載のとおり,本願商標と,①「バルマン」の片仮名文字を横書きしてなり,旧別表第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とする登録第977769号商標(昭和43年6月4日登録出願,昭和47年8月26日設定登録,平成14年7月9日更新登録,以下「引用商標1」という。),②別添審決謄本別掲(2)のとおりの構成(注,上段に筆記体風の「Valman」の欧文字を配し,下段に筆文字風の「ばるまん」の平仮名文字を配したもの)よりなり,旧別表第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とする登録第1346057号商標(昭和49年8月7日登録出願,昭和53年9月29日設定登録,平成10年4月28日更新登録,以下「引用商標2」という。)及び③別添審決謄本別掲(3)のとおりの構成(注,上段に丸ゴシック体の「mini-VALMAN」の変形の欧文字を配し,下段に丸ゴシック体の「ミニバルマン」の片仮名文字を配したもの)よりなり,旧別表第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品とする登録第1879415号商標(昭和59年2月8日登録出願,昭和61年7月30日設定登録,平成8年11月28日更新登録,以下「引用商標3」という。)とは,「バルマン」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ず,また,本願商標の指定商品中,別表第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」は,引用商標1~3の指定商品と同一又は類似の商品であるから,本願商標は,商標法4条1項11号に該当するとした。

第3 原告主張の審決取消事由

審決は,本願商標と引用商標1~3との類否判断を誤った(取消事由1,2)結果,本願商標は,商標法4条1項11号に該当するとの誤った結論に至ったものであるから,違法として取り消されるべきである。

1 取消事由1(商標の類否判断の誤り(1))

(1) 審決は,取引の実情について一切言及しないまま,「本願商標は・・・やや図案化した『BALMAIN』の文字よりなるものであるから,該文字に相応し『バルマン』の称呼を生ずるものである」(審決謄本2頁下から第2段落)と認定した上,「本願商標と引用各商標とは,『バルマン』の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない」(同3頁第2段落)と判断した。

(2) しかしながら,仮に,取引の実情を考慮しない場合には,本願商標からは,ローマ字読みの称呼又は我が国において最も親しまれている外国語である英語読の称呼が生じるというべきであるから,本願商標の称呼は,「バルマイン」又は「バルメイン」であって,「バルマン」ではない。そうすると,本願商標と引用商標1~3とは称呼において明らかに相違するものであり,これが共通するとした審決の上記判断は誤りである。

(3) これに対し,被告は,審決は取引の実情を考慮した上で判断したものである旨主張するが,審決においては,取引の実情について何ら言及されていないから,審決が取引の実情を一切考慮していないことは明らかである。しかしながら,後記2(1)のとおり,商標の類否判断に当たっては,取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断すべきであるとするのが最高裁判例であるから,こうした審決の判断手法は,判例の定立した商標の類否判断の基準に反する違法なものというべきである。

(4) 以上によれば,本願商標と引用商標1~3とは類似の商標であるとした,審決の上記判断の誤りは明らかである。

2 取消事由2(商標の類否判断の誤り(2))

(1) 審決は,「本願商標と引用各商標とは,『バルマン』の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない」(審決謄本3頁第2段落)と判断した。

しかしながら,商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべく,しかも,その商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。そして,商品の外観,観念又は称呼の類似は,その商標を使用した商品につき出所混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず,したがって,上記三点のうち,その一つにおいて類似するものでも,他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって,何ら商品の出所に誤認混同を来すおそれが認め難いものについては,これを類似商標と解すべきではない(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁〔以下「昭和43年最判」という。〕参照)。

これを本件について見ると,確かに,取引の実情を考慮した場合,本願商標からは「バルマン」の称呼が生じる。しかしながら,以下のとおり,取引の実情を考慮して,総合的かつ全体的な考察をすれば,本願商標と引用商標1~3とは,同一又は類似の商品に使用しても,商品の出所について誤認混同を来すおそれはなく,両商標は非類似の商標というべきである。

(2) 取引の実情

ア 原告「PIERRE BALMAIN」社,原告の略称である「BALMAIN」ないし「バルマン」及び本願商標は,以下のとおり,いずれも我が国の市場において周知である。

(ア) 原告「PIERRE BALMAIN」社は,我が国はもとより,世界的に著名なフランスのオートクチュール・メゾンである。

原告は,「BALMAIN」ないし「バルマン」と略称されるところ,「BALAMIN」は,同社の略称及び商標として,フランスはもとより,我が国を始め,世界的に周知であり,「バルマン」は,同社の略称として日本において周知である。

(イ) 原告は,旧別表第17類及び第22類等において,「PIERREBALMAIN」ないし「ピエール バルマン」に係る10件の登録商標を有している(甲6~15)。

(ウ) また,原告は,旧別表第22類においては,「バルマン」及び「BALMAIN」に係る登録商標を有している(甲16,17)。

(エ) ところで,「PIERRE」は,フランス人男性の名として非常に一般的なものであり,我が国においても,「PIERRE CARDIN」を始め,「PIERRE」をファーストネームとする商標が,多数,商標登録されている(甲18~34)。

これら多数の「PIERRE」をファーストネームとする商標において,識別力を有するのは,姓の部分であるため,自然に,「PIERRE CARDIN」は「CARDIN」と,原告に係る「PIERRE BALMAIN」は「BALMAIN」と略称されるようになり,それぞれ,「CARDIN」及び「BALMAIN」が,略称として,また,商標として使用され,いずれも我が国内において周知となっている。

したがって,「BALMAIN」は,我が国において,原告の略称としても,商標としても周知である。

(オ) 原告は,約30年前から日本に進出し,以来,「BALMAIN」商品を輸出販売し,ライセンスビジネスを展開,発展させてきた。現在,原告は,伊藤忠ファッションシステム株式会社をメインライセンシーとし,同社を経由して,別表第25類及び第24類の商品を含む多数の商品について,それぞれの業界で名の通った多くの企業をサブライセンシーとして有している。

当該サブライセンシーらは,日本全国において,別表第25類の衣料品,ベルト,靴を含む多種の商品について,「BALMAIN」商品を製造販売している。別表第25類についてのサブライセンシーは,バンビ商事株式会社,株式会社アバン,CHOYA株式会社,株式会社プロンティ,株式会社ウルシハラ,オークニジャパン株式会社,伊東久株式会社,株式会社トーア及びアルプス・カワムラ株式会社の9社であり,その取扱商品,最近の販売高は,伊藤忠ファッションシステム株式会社の担当者作成の報告書(甲35,以下「甲35報告書」という。)に記載のとおりである。

これらのライセンシー及びサブライセンシーは,その商品について,本願商標を使用していることから,後記(カ)の広告宣伝及び後記(キ)の多数の店舗網とあいまって,本願商標は,衣類等の商品に使用する原告の商標として,我が国において周知である。

(カ) 原告は,本願商標を使用した商品につき,我が国において,ライセンシー又はサブライセンシーを通じて広告宣伝に努め,新聞,雑誌に多数の広告を出している(甲93~96)。また,「BALMAIN」商品は,雑誌等において,多数紹介されている(甲37~92,97~102)。

(キ) さらに,サブライセンシーは,甲35報告書記載のとおり,日本全国に多数の得意先店舗を有し,販売を行っている。また,原告は,最近まで,東京都港区青山に,「BALMAIN」のイメージブティックを有していた(甲36)。

(ク) ちなみに,本願商標と同一の商標は,既に,フランスはもとより,ドイツ,オーストリア,ベルギー,デンマーク,スペイン,フィンランド,ギリシャ,アイルランド,イタリア,ルクセンブルク,オランダ,ポルトガル,英国,スウェーデンで商標登録されており,米国で商標登録出願されている(甲105~107)。

イ 本願商標の指定商品の需要者は,自ら商品を手に取り,ブランド,デザイン,色,サイズ,素材,価格等を確かめて,商品を購入するか否かを決めるのであって,商品に付された商標の称呼によって購入するか否かを決めるのではない。

また,本願商標の指定商品の取引者は,商品の品番により取引をするのであって,商品に付された商標の称呼によって取引をすることはない。

ウ 原告は世界的に周知のオートクチューリエであり,本願商標はその周知の商標であるから,本願商標を付した商品は,デパートや専門店の「BALMAIN」のショップやコーナーで,他のブランドとは区別して販売される。これに対し,引用商標1~3の商標権者は無名であり,その使用の事実自体疑わしいものであるが,仮に使用されているとしても,引用商標1~3を付した商品は,国内ブランドの商品であるから,仮にデパートで販売されるとしても,国内ブランド用のコーナーで販売される。したがって,本願商標を付した商品と,引用商標1~3を付した商品とは,その売り場を異にする。

また,本願商標を付した商品を含む外国の一流ブランドの商品と,引用商標1~3を付した商品を含む国内ブランドの商品とでは,デパート,専門店における仕入れ担当者が異なる。したがって,両者は,その流通経路を異にする。

(3) 外観の相違

本願商標は,特徴あるデザインの白抜きの欧文字の「BALMAIN」よりなるものであり,その外観において強い識別力を有する。

これに対し,引用商標1は,片仮名の「バルマン」よりなるもの,引用商標2は,筆記体の欧文字の「Valman」と,筆記体の平仮名の「ばるまん」とを上下2段に配してなるもの,引用商標3は,欧文字の「mini-VALMAN」と片仮名の「ミニバルマン」とを上下2段に配してなるものであり,いずれも,本願商標とは外観において相違する。

(4) 観念の相違

上記(2)アのとおり,本願商標は,日本はもとより,世界的にも周知のフランスのオートクチューリエである原告が使用する商標であり,かつ,原告の略称であるから,本願商標からは,これに対応した観念を生じる。これに対し,引用商標1~3からは何らの観念も生じない。 したがって,本願商標は,引用商標1~3と観念において相違する。

(5) 以上によれば,本願商標と引用商標1~3とは類似の商標であるとした,審決の上記判断の誤りは明らかである。

第4 被告の反論

審決の認定判断は正当であり,原告主張の取消事由はいずれも理由がない。

1 取消事由1(商標の類否判断の誤り(1))について

取引の実情を考慮しない場合,本願商標から,「バルマイン」又は「バルメイン」の称呼が生じることは認める。

しかしながら,商標の類否を判断するに当たって,当該商品分野の取引の実情を考慮することは当然のことであり,審決も,本願商標及び引用商標1~3の指定商品に係る取引の実情を考慮した上で判断したものであるから,取引の実情を考慮しない場合を想定した主張は無意味であるというほかはない。

以上によれば,原告の取消事由1の主張は失当である。

2 取消事由2(商標の類否判断の誤り(2))について

(1) 商標の類否を判断するに当たって,当該商品分野の取引の実情を考慮すべきことは当然のことであり,審決においても,そのことを当然の前提として審理判断したものであることはいうまでもない。

そして,商標が類似するかどうかは,最終的には,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき混同を生じるおそれがあるか否かによって決すべきものであり,具体的にその類否判断をするに当たっては,両商標の外観,観念及び称呼を観察し,それらが取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであって,決して上記三要素の特定の一つの対比のみによってされるべきではないが,少なくともその一つが類似している場合には,当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生じるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて,出所の混同を生じるおそれがあると認めるのが相当である(東京高裁平成12年6月13日判決・平成11年(行ケ)第422号事件参照)。

これを本件について見ると,本願商標と引用商標1~3とは,少なくとも,「バルマン」という称呼において共通しており,かつ,以下のとおり,当該指定商品の取引の実情等において商品の出所の混同を生じるおそれはないと考えさせる特別の事情が存在するとも認められないから,両商標は,類似するものというべきである。

(2) 取引の実情について

ア 原告主張の取引の実情(上記第3の2(2))のうち,①上記第3の2(2)アの(ア)の主張事実中,原告「PIERRE BALMAIN」社が,我が国はもとより,世界的に著名なフランスのオートクチュール・メゾンであること,②同(イ)及び(ウ)の主張事実,③同(エ)の主張事実中,我が国においても,「PIERRE CARDIN」を始め,「PIERRE」をファーストネームとする商標が,多数,商標登録されていること,④同(オ)の主張事実中,現在,原告は,伊藤忠ファッションシステム株式会社をメインライセンシーとし,同社を経由して,別表第25類及び第24類の商品を含む多数の商品について,それぞれの業界で名の通った多くの企業をサブライセンシーとして有しており,当該サブライセンシーらは,日本全国において,別表第25類の衣料品,ベルト,靴を含む多種の商品について,「BALMAIN」商品を製造販売していること,⑤同(カ)~(ク)の主張事実,⑥同イの主張事実中,本願商標の指定商品の需要者が,自ら商品を手に取り,ブランド,デザイン,色,サイズ,素材,価格等を確かめて,商品を購入するか否かを決めること,及び,本願商標の指定商品の取引者が,商品の品番により取引をすること,並びに⑦同ウの主張事実中,原告が世界的に周知のオートクチューリエであることについては争わない。

イ 原告は,原告「PIERRE BALMAIN」社,原告の略称である「BALMAIN」ないし「バルマン」及び本願商標は,いずれも我が国の市場において周知である旨主張する。

しかしながら,原告提出の証拠からは,本願商標が被服,布製身の回り品等の商品に使用されていることは認められるものの,その使用開始の時期は,我が国においては平成11年以降と見られ,それ以前の使用の事実は明らかでない。また,サブライセンシーの販売高等に関する甲35報告書には,裏付けがない。

さらに,原告提出の証拠のうち,雑誌,新聞,業界紙等(甲37~102)に,「BALMAIN」ないし「バルマン」に関する紹介記事や広告が掲載されているとしても,その媒体は,いずれもファッションに関心を持つ者が購読する雑誌等にすぎず,ファッションに特化していない一般の媒体の例は,朝日新聞(甲97)の一例のみである。本願商標の指定商品の主たる需要者は,ごく普通の一般的な消費者であって,ファッションに関心が高く,ブランド知識が豊富な者に限られるわけではないから,原告提出の上記雑誌等の紹介記事等によっても,「BALMAIN」ないし「バルマン」が,原告に係る商標又は原告の略称として,我が国におけるごく普通の一般的な消費者の間に広く知られるに至っているとまでは認められないというべきである。

したがって,原告の上記主張は失当である。

ウ 原告は,本願商標の指定商品の需要者が,自ら商品を手に取り,ブランド,デザイン,色,サイズ,素材,価格等を確かめて,商品を購入するか否かを決めること,及び,本願商標の指定商品の取引者が,商品の品番により取引をすることを根拠に,当該指定商品の取引者,需要者が,商品に付された商標の称呼によって取引をすることはない旨主張する。

しかしながら,本願商標の指定商品,特に「被服」の商品分野で,主たる需要者である一般的な消費者の商品選択において,型,デザイン,色,サイズ等のほか,商標(ブランド)もその基準となることが一般であることは公知の事実である。そうすると,需要者が実際に商品を手に取って購入するか否かを決定し,取引者が品番により取引をするとしても,それゆえに,主たる需要者である一般的な消費者にとって,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがないということはできない。

エ 原告は,本願商標を付した商品と引用商標1~3を付した商品とは,その売り場及び流通経路を異にする旨主張する。

しかしながら,商標の類否判断において参酌されるべき取引の実情とは,その指定商品全般についての一般的,恒常的なそれを指すものであって,単に,当該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的,限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和49年4月25日第一小法廷判決・昭和47年(行ツ)第33号事件参照)から,原告主張の上記事情は,そもそも,本願商標と引用商標1~3との類否を判断する際の考慮事情として重視すべきではないし,また,当該事情が一般的な消費者に周知であるとも認められない。

なお,原告は,引用商標1~3の商標権者は無名であり,その使用の事実自体疑わしいとするが,引用商標1~3の商標権者は当該分野においては一定程度知られる存在であり(乙5-1),また,引用商標1~3は,「被服」に含まれる商品について現に使用されている(乙5-2)。

(3) 外観の相違について

本願商標と引用商標1~3とが外観において相違することは争わない。

しかしながら,本願商標を構成する欧文字は,格別特異な表現態様のものではなく,普通に用いられる書体の域を出ない程度のものである(乙2~4)から,その文字の特異性から,外観上,特に印象付けられることはない。  そして,このことは,引用商標1~3の構成文字についても同様であるから,両商標は,外観上,格段の違いがあるというものではない。

(4) 観念の相違について

上記(2)イのとおり,「BALMAIN」ないし「バルマン」が,原告に係る商標又は原告の略称として,我が国におけるごく普通の一般的な消費者の間に広く知られるに至っているとまでは認められないから,本願商標からは特定の観念は生じない。

他方,引用商標1~3からも特定の観念は生じないから,両商標は,観念上,格段の違いがあるというものではない。

(5) 以上によれば,本願商標と引用商標1~3とは類似の商標であるとした,審決の判断に誤りはないというべきであり,原告の取消事由2の主張は失当である。

当裁判所の判断

1 取消事由2(商標の類否判断の誤り(2))について

(1) 審決は,本願商標及び引用商標1~3からは,いずれも「バルマン」の称呼が生じると認定した上,「本願商標と引用各商標とは,『バルマン』の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない」(審決謄本3頁第2段落)と判断した。

これに対し,原告は,商標の類否の判断基準に関する昭和43年最判を引用した上,確かに,取引の実情を考慮した場合,本願商標からは「バルマン」の称呼が生じるが,原告,原告の略称及び本願商標が周知であることその他の取引の実情を考慮して,総合的かつ全体的な考察をすれば,本願商標と引用商標1~3とは,同一又は類似の商品に使用しても,商品の出所について誤認混同を来すおそれはなく,両商標は非類似の商標というべきであるとして,審決の上記判断は誤りである旨主張する。

(2) そこで,まず,原告主張に係る本願商標等の周知性について検討する。

ア 当事者間に争いのない事実,証拠(甲6~17,35~102)及び弁論の全趣旨を総合すれば,本願商標等の周知性に関する事情として,以下の事実を認めることができる。

(ア) 原告「PIERRE BALMAIN」社は,我が国はもとより,世界的に著名なフランスのオートクチュール・メゾンである。

(イ) 原告の創業者であるファッションデザイナーのピエール・バルマンは,1945年(昭和20年),フランスのパリにおいて,自らオートクチュール・ハウスを設立,その後,ヨーロッパを拠点にアメリカなどで活躍した。同人の手掛けたエレガントなデザインは,「ニュー・フレンチスタイル」などと呼ばれて高い評価を受け,そのブランドは急速に国際派ブランドに成長した。1982年(昭和57年)にピエール・バルマンが死亡した後は,その後継者がバルマン風のエレガンスを時代に合わせて再現してきた(甲37の3枚目,甲40の2枚目,甲62の2枚目)。

(ウ) 原告は,遅くとも,後記(ク)の①及び⑦の商標登録出願をした昭和48年1月8日を皮切りにして我が国に進出し,以後,現在に至るまで30年以上にわたり,我が国において被服等の商品に係る事業を展開してきた(甲6,12,弁論の全趣旨)。

(エ) 現在,原告は,伊藤忠ファッションシステム株式会社をメインライセンシーとし,同社を経由して,別表第25類及び第24類の商品を含む多数の商品について,それぞれの業界で名の通った多くの企業をサブライセンシーとして有しており,当該サブライセンシーらは,日本全国において,別表第25類の衣料品,ベルト,靴を含む多種の商品について,原告に係る「BALMAIN」ブランドの商品を製造販売している。

別表第25類の商品を取り扱う原告のサブライセンシー9社の取扱商品及び平成14年における販売高は下記のとおりであり,その商品には,いずれも,本願商標を記したタグや商札等が付され,本願商標が使用されている。また,これらサブライセンシーの得意先となっている店舗の数は,株式会社アバンにつき20店舗,CHOYA株式会社につき159店舗,株式会社プロンティにつき102店舗,オークニジャパン株式会社につき53店舗,伊東久株式会社につき64店舗,株式会社トーアにつき14店舗,アルプス・カワムラ株式会社につき63店舗であり,ほかに,株式会社ウルシハラの得意先は,スーパーマーケットの「イオン」全店である(甲35報告書)。

① バンビ商事株式会社

(取扱商品)婦人紳士皮コート,毛皮,婦人コート

(販売高) 1億7869万0000円

② 株式会社アバン

(取扱商品)婦人ニット

(販売高) 1億2561万5230円

③ CHOYA株式会社

(取扱商品)紳士シャツ,ニットウェアー

(販売高) 5億9030万5000円

④ 株式会社プロンティ

(取扱商品)エプロン

(販売高) 1億7825万5861円

⑤ 株式会社ウルシハラ

(取扱商品)婦人用帽子,婦人紳士手袋

(販売高)   3314万9174円

⑥ オークニジャパン株式会社

(取扱商品)紳士靴

(販売高) 1億4721万6000円

⑦ 伊東久株式会社

(取扱商品)婦人ベルト

(販売高)   2355万4000円

⑧ 株式会社トーア

(取扱商品)紳士ベルト,紳士ジュエリー,皮小物

(販売高)   3288万9219円

⑨ アルプス・カワムラ株式会社

(取扱商品)スカーフ,マフラー,ストール,紳士ネクタイ

(販売高)   9571万0000円

なお,被告は,サブライセンシーの販売高等に関する甲35報告書には裏付けがない旨主張して,その信用性に疑問を示している。しかしながら,甲35報告書が,伊藤忠ファッションシステム株式会社の担当者の作成に係るものであることについては当事者間に争いがなく,また,同社が,我が国において,原告に係る「BALMAIN」ブランドの商品のメイン・ライセンシーであることについても当事者間に争いがない。そうとすれば,同社の担当者がサブライセンシーの数,社名,その取扱商品,販売高等を詳細かつ正確に知り得る地位にあることは明らかであり,他方,甲35報告書の記載内容には,矛盾その他信用性を疑わせる点は格別見当たらないから,信用するに足りるというべきである。

(オ) 原告は,本願商標を使用した商品につき,我が国において,ライセンシー又はサブライセンシーを通じて広告宣伝を行い,次のとおり,業界紙及び雑誌に,本願商標を使用した広告を出している。

① 繊研新聞平成12年4月17日号,同年10月17日号,平成13年10月22日号,平成14年10月23日号(甲93~96)

② インファス・パブリケーションズ発行の雑誌「流行通信」平成11年10月号(甲43)

③ TBSブリタニカ発行の雑誌「FIGARO」平成12年9月20日号(甲45)

④ アシェット婦人画報社発行の雑誌「ELLE」平成11年11月号(甲58),平成15年4月号(甲79)

(カ) 原告に係る被服等の商品は,平成11年5月から平成16年1月にかけて発行された雑誌である「25ans」(甲37,41,44,64,72,89,92),「GINZA」(甲38,48),「FIGARO」(甲39,84),「Miss」(甲40),「gapD」(甲42,74),「流行通信」(甲53,66,67),「婦人公論」(甲46),「Sweet」(甲47,59),「Vingtaine」(甲49),「La Vie de 30ans」(甲50,91),「MISS」(甲51,57),「JJ」(甲52),「with」(甲54),「VOGUE」(甲55),「ミセス」(甲56,70,80,90),「ar」(甲60),「Hanako」(甲61),「non・no」(甲62),「CLASSY.」(甲63,71),「HF」(甲65,77),「CREA」(甲68),「Oggi」(甲69),「BAZAAR」(甲73,82),「gapPRESS」(甲75),「MODE et MODE」(甲76,78),「婦人画報」(甲81),「家庭画報」(甲83),「ef」(甲85),「Grazia」(甲86),「Style」(甲87)及び「FRaU」(甲88)に見られるとおり,いわゆるファッション雑誌等において多数紹介され,その際,紹介された商品を説明する箇所等において,「バルマン」ないし「BALMAIN」の表示が,原告に係る「BALMAIN」ブランドを示す表示として,数多く使用されている。

また,原告又は原告に係る被服を紹介する,一般紙の朝日新聞(甲97)並びに業界紙の繊研新聞(甲98,99,101)及びWWD(甲100,102)の記事においても,原告の略称,又は原告に係る「BALMAIN」ブランドを示すものとして,「バルマン」ないし「BALMAIN」の表示が使用されている。

(キ) 原告は,平成10年(1998年)秋ころから最近まで,東京都港区青山に,「BALMAIN」ブランドに係るイメージブティックを有していた(甲36,37)。

(ク) なお,原告は,旧別表第17類及び第22類等において,以下のとおり,「PIERRE BALMAIN」ないし「ピエール バルマン」に係る10件の登録商標を有している。

① 登録第1220762号商標(「PIERRE BALMAIN」,昭和48年1月8日出願,昭和51年9月20日設定登録,平成8年12月24日更新登録,旧別表第17類)(甲6)

② 登録第1702859号商標(「Pierre Balmain」,昭和56年11月11日出願,昭和59年7月25日設定登録,旧別表第17類)(甲7)

③ 登録第1669168号商標(「ピエール バルマン」,昭和56年11月12日出願,昭和59年3月22日設定登録,平成16年4月13日更新登録,旧別表第17類)(甲8)

④ 登録第2524620号商標(「PIERRE BALMAIN+PB」,平成2年6月21日出願,平成5年4月28日設定登録,平成15年6月17日更新登録,別表第20類,第24類及び第25類)(甲9)

⑤ 登録第2662303号商標(「PB/PIERRE BALMAIN」,平成3年8月8日出願,平成6年5月31日設定登録,平成16年4月27日更新登録,旧別表第17類)(甲10)

⑥ 登録第2697002号商標(「PB/PIERRE BALMAIN/collection」,平成3年10月2日出願,平成6年10月31日設定登録,旧別表第17類)(甲11)

⑦ 登録第1169261号商標(「PIERRE BALMAIN」,昭和48年1月8日出願,昭和50年11月1日設定登録,平成8年5月30日更新登録,旧別表第22類)(甲12)

⑧ 登録第1713435号商標(「ピエール バルマン」,昭和56年11月12日出願,昭和59年9月26日設定登録,旧別表第22類)(甲13)

⑨ 登録第2593611号商標(「PB/PIERRE BALMAIN」,平成3年1月31日出願,平成5年10月29日設定登録,平成15年12月9日更新登録,別表第14類,第18類,第25類)(甲14)

⑩ 登録第4304590号商標(「PB/PIERRE BALMAIN/FORMALITE」,平成10年2月3日出願,平成11年8月13日設定登録,別表第25類)(甲15)

(ケ) また,原告は,旧別表第22類においては,次のとおり,「バルマン」及び「BALMAIN」に係る登録商標を有している。

① 登録第2104080号商標(「バルマン」,昭和61年1月10日出願,昭和63年12月19日設定登録,平成11年1月26日更新登録,旧別表第22類)(甲16)

② 登録第2050756号商標(「BALMAIN」,昭和60年12月3日出願,昭和63年5月26日設定登録,平成10年2月3日更新登録,旧別表第22類)(甲17)

イ 以上の事実を総合すれば,遅くとも審決日(平成16年6月2日)までには,本願商標の指定商品(上記第2の1)中,審決が引用商標1~3の指定商品と同一又は類似の商品であるとした,別表第24類の「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類の「被服」の分野における取引者,需要者の間において,「BALMAIN」ないし「バルマン」の表示は,著名な原告「PIERRE BALMAIN」社に係る「BALMAIN」ブランドを示すものとして,一般に広く知られるようになっていたものと認めるのが相当である。

なお,本願商標自体については,原告らによる広告宣伝の場合のほか,本願商標自体が雑誌記事等で紹介される例がほとんど見られないこと等からすれば,上記「BALMAIN」ブランドを示すものとしての「BALMAIN」ないし「バルマン」の表示ほどの周知性は認められないというべきであるが,上記ア(エ)のとおり,原告のサブライセンシーが本願商標を付した商品を販売した額は,9社合計で年間14億円余(平成14年)と相当に多額であり,かつ,その得意先となる店舗数も非常に多いことからすれば,本願商標自体も,本願商標及び引用商標1~3に係る商品の取引者,需要者の間において,相当程度,知られていたものと認めることができる。

ウ これに対し,被告は,原告提出に係る雑誌,業界紙は,いずれもファッションに関心を持つ者が購読するものにすぎないなどとして,「BALMAIN」ないし「バルマン」が,原告に係る商標又は原告の略称として,本願商標の指定商品の需要者である,ごく一般的な消費者の間に広く知られるに至っているとまでは認められない旨主張する。

しかしながら,原告が証拠として提出した雑誌の中には,一般女性誌,情報誌など,ファッションに関心を持つ者のみが購読するとは限らない雑誌も含まれており(甲46,56,61,70,80,81,83,90),被告の上記主張はその前提において誤りを含むものであるというほかはない。その上,上記雑誌以外のいわゆるファッション雑誌に限って見ても,上記ア(カ)のとおり,特定の雑誌に限られない,20誌を優に超える多数の雑誌において,相当長期間にわたって,「BALMAIN」ないし「バルマン」の表示が,原告に係る「BALMAIN」ブランドを示すものとして継続的に使用され,加えて,被告も自認するとおり,一般紙(朝日新聞平成12年4月14日号,甲97)においても,同様の用語法が採用されていることからすれば,上記表示が,被告のいう,ごく一般的な消費者の間においても周知であったことは明らかというべきであり,被告の上記主張は採用の限りではない。

(3) 以上を前提に,本願商標と引用商標1~3との類否を検討する。

ア 商標の類否は,対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって決すべきであるが,それには,そのような商品に使用された商標が,その外観,観念,称呼等によって取引者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すべきであり,しかも,その商品の取引の実情を明らかにし得る限り,その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。その際,商品の外観,観念又は称呼の類似は,その商標を使用した商品につき出所混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず,したがって,上記三点のうち,その一つにおいて類似するものでも,他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって,何ら商品の出所に誤認混同を生じるおそれが認め難いものについては,これを類似商標と解すべきではない(昭和43年最判参照)。

イ これを本件について見ると,確かに,取引の実情を考慮した場合,本願商標から「バルマン」の称呼が生じることは,原告も自認するとおりであり,本願商標の当該称呼と引用商標1~3の称呼(ただし,引用商標3については,その要部から生じる称呼)とは共通するものと認められる。

しかしながら,他方,本願商標と引用商標1~3とが外観において相違することは,当事者間に争いがない。

また,上記(2)イのとおり,遅くとも審決日までには,「BALMAIN」ないし「バルマン」の表示は,著名な原告「PIERRE BALMAIN」社に係る「BALMAIN」ブランドを示すものとして,本願商標及び引用商標1~3に係る取引者,需要者の間において,一般に広く知られるようになっていたものと認められるから,本願商標に接した取引者,需要者は,仮に本願商標自体を知らなくとも,本願商標から,周知の上記「BALMAIN」ブランドを想起するものというべきであり,これに対し,引用商標1~3から特定の観念が生じないことは当事者間に争いがないから,本願商標と引用商標1~3とは,観念において著しく相違するものと認めるのが相当である。

ウ 以上のとおり,本願商標と引用商標1~3とが,外観において相違し,観念において著しく相違することに加え,取引の実情として,本願商標の指定商品の需要者が,自ら商品を手に取り,ブランド,デザイン,色,サイズ,素材,価格等を確かめて,商品を購入するか否かを決めること,及び,本願商標の指定商品の取引者が,商品の品番により取引をすることについて,当事者間に争いがないことをも考え併せれば,本願商標と引用商標1~3とが称呼において共通するとしても,本願商標及び引用商標1~3に係る商品の取引者,需要者は,取引に当たり,周知の上記「BALMAIN」ブランドを想起させる本願商標が付された商品と,そのような観念を生じさせない引用商標1~3が付された商品とを容易に区別することができ,両者の出所を誤認混同するような事態は考え難いというほかはない。

そうすると,両商標を同一又は類似の商品に使用した場合に,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれは認め難いから,本願商標と引用商標1~3とは類似商標ではないというべきである。

エ なお,被告は,本願商標を構成する欧文字は,普通に用いられる書体の域を出ない程度のものであって,その文字の特異性から,外観上,特に印象付けられることはなく,このことは,引用商標1~3の構成文字についても同様であるから,両商標は,外観上,格段の違いがあるというものではない旨主張する。しかしながら,仮にそうであるとしても,両商標が外観において相違することは当事者間に争いがない上,両商標が観念において著しく相違することその他取引の実情等によって,商品の出所に誤認混同を生じるおそれを認め難いことは上記ウのとおりであるから,この点に関する被告の主張は採用の限りではない。

また,被告は,本願商標の指定商品,特に「被服」の商品分野で,主たる需要者である一般的な消費者の商品選択において,型,デザイン,色,サイズ等のほか,商標(ブランド)もその基準となることが一般であることは公知の事実であり,そうすると,需要者が実際に商品を手に取って購入するか否かを決定し,取引者が品番により取引をするとしても,それゆえに,主たる需要者である一般的な消費者にとって,商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがないということはできないとも主張する。しかしながら,本件においては,上記ウのとおり,両商標が観念において著しく相違することその他取引の実情等によって,需要者は,取引に当たり,周知の上記「BALMAIN」ブランドを想起させる本願商標が付された商品と,そのような観念を生じさせない引用商標1~3が付された商品とを容易に区別することができるというべきであるから,被告主張の点は,上記ウの判断を左右するものではない。

(4) 以上によれば,本願商標と引用商標1~3とが類似の商標であるとした,審決の上記(1)の判断は誤りというほかはなく,この誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから,原告の取消事由2の主張は理由がある。

2 以上のとおり,原告主張の取消事由2は理由があるから,その余の点について判断するまでもなく,審決は,違法として取消しを免れない。

よって,原告の請求は理由があるから認容し,主文のとおり判決する。

閉じる